AI支援メンテナンス記録入力システム
T9入力システム(Serendie UI版)- AI支援メンテナンス記録入力システム 開発報告
ビジョン:現場オペレーターの記録入力を AI が支援し、ナレッジを組織の財産へ
1. 現在の課題(Problem)
製造現場の保全記録入力で日常的に発生している課題を整理しました。
1-1. 手動入力の負担とミスが多い
組立フロアのオペレーターは機械を操作しながら保全記録を手作業で入力している。IT リテラシーの高くない現場作業者にとって、構造化されたフォームへの入力は認知負荷が高く、記録漏れや記述の粗さが発生しやすい。
1-2. 記録品質が個人に依存する
トラブルの症状・対応・原因を記録するフォーマットが定まっていても、文章表現の品質は担当者によって大きくばらつく。ナレッジとして活用できるレベルの記録になっておらず、トラブルの再発防止や原因分析に活かせない。
1-3. 過去事例の検索が困難
類似トラブルの対応履歴を参照しようとしても、キーワード検索では表記揺れや記述スタイルの違いによりヒットせず、ベテラン担当者の記憶に頼る属人的な状況が続いている。
現状の業務フロー:
├── トラブル発生 ← 緊急対応しながら記録
├── 紙メモ・口頭伝達 ← 後追い入力が多い
├── 手動フォーム入力(専門用語必須)← IT に不慣れな現場には難しい
├── 類似事例を記憶・口頭で確認 ← 属人的、引き継ぎが困難
└── → 記録品質の低下、ナレッジ共有の停滞2. T9入力システムでこう変わる(Solution)
| # | 現状(BEFORE) | 導入後(AFTER) |
|---|---|---|
| 1 | 手作業でフォームを埋める | AI チャットで自然言語入力 → 構造化データを自動生成 |
| 2 | 記録品質が個人依存 | AI が症状・対応・原因を抽出し、フォーマットを統一 |
| 3 | 過去事例が探せない | セマンティック検索(ベクトル類似度)で関連事例を即座に提示 |
| 4 | PDF・写真の手作業転記 | ドキュメント解析(Textract + Bedrock)で自動抽出 |
| 5 | 入力状況が分からない | 4 ステップウィザードでガイド付き入力、進捗が一目で分かる |
| 6 | トレンド把握が困難 | ランキング画面で OPE_CODE 別集計チャートをリアルタイム表示 |
T9入力システムの管理構成
T9入力システム(Serendie UI版)
├── Webアプリケーション(Next.js + FastAPI)
│ ├── 4ステップ入力ウィザード
│ │ ├── Step 1: マスタ選択(拠点→部署→ライン→設備)
│ │ ├── Step 2: メタデータ入力(日時・進捗・工変No.等)
│ │ ├── Step 3: AI チャット(できごと・対応・背景)
│ │ └── Step 4: 確認・保存(DB 書き込みはここで1回のみ)
│ ├── 検索・更新機能
│ │ ├── セマンティック検索(ベクトル類似度)
│ │ ├── キーワード検索(ILIKE フォールバック)
│ │ └── 部署フィルター(K/N/W)
│ ├── ランキング機能
│ │ └── OPE_CODE 別集計チャート(拠点・ライン絞り込み)
│ ├── トピックス機能
│ │ └── フィルター・一覧・詳細モーダル
│ └── ドキュメント起点入力
│ ├── ファイルアップロード(PDF・画像)
│ ├── 5W2H 自動解析(Textract + Bedrock)
│ └── 解析結果をウィザードへ自動引き継ぎ
└── Windows デスクトップ連携ツール(exe)
└── tools/maintenance-register/
├── launcher.exe(右クリック → ブラウザ起動)
└── setup.py(レジストリ登録)3. システム全体像
┌──────────────┐ ┌──────────────┐ ┌──────────────┐ ┌──────────────┐
│ 現場オペレーター│ ─→ │ Next.js │ ─→ │ FastAPI │ ─→ │ AWS Bedrock │
│ (ブラウザ) │ │ (CloudFront) │ │ (ECS Fargate)│ │ Claude │
└──────────────┘ └──────────────┘ └──────────────┘ └──────────────┘
↓ ↑
┌──────────────┐ ┌──────────────┐ ┌──────────────┐
│ S3 マスタCSV │ │ RDS │ │ AWS Textract │
│ (拠点/ライン/ │ │ PostgreSQL │ │ (文書OCR) │
│ 設備) │ │ + pgvector │ └──────────────┘
└──────────────┘ └──────────────┘
┌──────────────┐ ┌──────────────┐ ┌──────────────┐
│ Excel右クリック│ ─→ │ launcher.exe │ ─→ │ ブラウザ自動 │
│ (Windows) │ │ (PyInstaller)│ │ 起動・入力開始│
└──────────────┘ └──────────────┘ └──────────────┘
┌──────────────┐ ┌──────────────┐ ┌──────────────┐
│ Oracle 社内DB │ ←→ │ ローカルPC │ ←→ │ PostgreSQL │
│ Snowflake │ │ sync ブリッジ │ │ RDS │
└──────────────┘ └──────────────┘ └──────────────┘技術スタック
| レイヤー | 技術 |
|---|---|
| フロントエンド | Next.js 14 (App Router) / TypeScript / Serendie UI / Zustand / TanStack Query v5 / Chart.js v4 / Tailwind CSS |
| バックエンド | FastAPI (Python 3.11) / Pydantic v2 / psycopg2-binary |
| AI | AWS Bedrock (Claude Sonnet 4) / Titan Embed Text v2(1536次元)/ Textract |
| データベース | PostgreSQL (RDS) + pgvector / Oracle (cx_Oracle) / Snowflake |
| インフラ | ECS Fargate / ALB / CloudFront / S3 / Lambda |
| デスクトップツール | PyInstaller (exe化) / Windows レジストリ登録 |
| データ同期 | ローカルPC同期ブリッジ(run_sync.py) |
4. 主要機能の詳細
4-1. 4ステップ入力ウィザード
ガイド付きの段階的入力フローで、現場オペレーターの認知負荷を最小化。
入力フロー:
Step 1: マスタ選択
拠点 → 部署(K/N/W フィルター) → ライン → 設備
↓
Step 2: メタデータ入力
入力者苗字 · 対応進捗 · 発生日時 · 復旧日時(+1時間自動セット)
工変No. · 機種情報 · 資料リンク · T4トラブルコード
↓
Step 3: AI チャット
自然言語で「できごと・対応・背景」を入力
AI が症状・原因・対応を構造化して抽出
↓
Step 4: 確認・保存
全内容をレビュー → DB 書き込み(1回のみ)
保存結果モーダル → OK で Step 1 リセット設計原則: DB 書き込みは Step 4 の1回のみ。すべての状態は Zustand で in-memory 管理。
4-2. AI チャット支援
Claude Sonnet 4 を活用した自然言語→構造化データ変換。
【AI 支援機能】
├─ 自然言語入力 → できごと・対応・背景を自動抽出
├─ PDF/画像アップロード → Textract で OCR → Bedrock で 5W2H 解析
├─ 解析レポートを Step 3 に自動引き継ぎ(初回メッセージとして自動送信)
└─ 音声入力(Web Speech API)対応4-3. セマンティック検索
ベクトル類似度検索で過去事例を即座に発見。
検索フロー:
入力テキスト
↓
Titan Embed Text v1 でベクトル化(1536次元)
↓
pgvector コサイン類似度検索(閾値: 0.7)
↓
類似事例一覧表示(類似度スコア付き)
↓ (結果0件の場合)
ILIKE キーワード検索にフォールバック4-4. ドキュメント解析・ファイル起点入力
既存の帳票・写真から記録を自動生成する新しいワークフロー。
ファイル起点フロー:
PDF/画像をホーム画面にアップロード
↓
S3 temp/{filename} に保存
↓
Textract (OCR) + Bedrock (Claude) で 5W2H 解析
↓
解析レポートを wizardStore.sourceFile に保持
↓
Step 1 ~ 4 でファイル参照パネル(DocumentReferencePanel)を常時表示
↓
Step 3 で解析レポートを初回メッセージとして自動送信ファイルキューの状態遷移: uploading → analyzing → ready | error → processing → done(後退不可)
4-5. Windows デスクトップ連携ツール
Excel ファイルを右クリックしてそのままブラウザで入力開始。
右クリックフロー:
.xlsx/.xls ファイルを右クリック
↓
「メンテナンス記録を登録」を選択
↓
launcher.exe → POST /api/prepare(ファイル内容を送信)
↓
ブラウザが /?token={token} で自動起動
↓
バックエンドがトークンを解決 → ファイル解析レポートを返却
↓
5W2H 解析結果を引き継いでウィザード開始特徴: 管理者権限不要(HKEY_CURRENT_USER にレジストリ登録)
4-6. 同期ブリッジ(ローカルPC)
AWS と社内システム間の直接接続が禁止されているため、両方に接続できるローカルPCで橋渡し。
同期構成:
[Oracle 社内DB] ←→ [ローカルPC sync] ←→ [PostgreSQL RDS]
[Snowflake 社内] → [ローカルPC sync] → [S3]
対象テーブル: HF1RWM01(PostgreSQL ↔ Oracle 双方向)
マッチングキー: MK_DATE(YYYYMMDDHHMMSS形式)
同期カラム: 23カラム(PG専用: id, search_text, embedding は除外)5. データ構造・システム連携
フロントエンド (Next.js) バックエンド (FastAPI)
┌──────────────────────┐ ┌──────────────────────┐
│ wizardStore (Zustand) │ │ /api/chat │
│ ├─ masterSelection │ ──REST API──→ │ /api/record/save │
│ ├─ metadata │ │ /api/search/semantic │
│ ├─ aiChat │ │ /api/document/upload │
│ └─ sourceFile │ ←──JSON──── │ /api/document/analyze│
└──────────────────────┘ └──────────────────────┘
↓
┌──────────────────────┐ ┌──────────────────────┐
│ masterStore (Zustand) │ │ RDS PostgreSQL │
│ ├─ locations │ ←─S3 CSV読み─ │ ├─ HF1RWM01 │
│ ├─ lines │ │ ├─ embedding (vector) │
│ └─ equipment │ │ └─ search_text │
└──────────────────────┘ └──────────────────────┘マスタデータ連携(STA_NO コード体系)
STA_NO1(拠点)→ STA_NO2(ライン)→ STA_NO3(設備)
3段階コード階層で管理
部署フィルター: STA_NO2 先頭文字で K(CM) / N(S・MM) / W(灯火) を判別
検索結果の名称変換: 3コードを同時照合(独立変換は誤り)6. 実装済みの価値
| 価値 | 詳細 |
|---|---|
| 入力工数の削減 | AI チャットで自然言語入力 → 構造化記録を自動生成、転記作業ゼロ |
| 記録品質の標準化 | 個人の文章力に依存せず、AI が一貫したフォーマットで出力 |
| 過去ナレッジの活用 | セマンティック検索で類似事例を即座に発見、対応時間を短縮 |
| ファイル起点入力 | 既存帳票・写真から5W2H を自動解析、入力の出発点を変える |
| 直感的な UI | Serendie UI + アニメーション + スケルトン画面で現場作業者でも迷わない |
| 既存システム連携 | Oracle/Snowflake との同期ブリッジで既存業務フローを壊さない |
| デスクトップ統合 | Excel 右クリックからシームレスにブラウザ入力へ移行 |
7. 実績データ
同期実績
| 項目 | 実績 |
|---|---|
| 同期成功件数 | 7,341件(2026-02-06 完遂) |
| 競合発生件数 | 0件 |
| 稼働状況 | 本番稼働可能 |
実装済み改修(2026-03-12 時点)
| フェーズ | 完了改修数 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 2026-02-28 | 5件 | 4ステップウィザード、部署フィルター、タブメニュー、スライドアニメーション、Step 4 編集機能 |
| 2026-03-02 | 4件 | ランキングエラーバウンダリ、保存結果モーダル、トピックスタブ、検索部署フィルター |
| 2026-03-06 | 3件 | ドキュメントアップロード・5W2H解析、ファイルキュー、右クリックランチャー |
コードベース規模
| 項目 | 規模 |
|---|---|
| フロントエンドコンポーネント | wizard/ · document/ · topics/ · ranking/ · search/ 等 |
| ウィザード専用コンポーネント | 6ファイル(Step1~Step4 + WizardProgress + SaveResultModal) |
| バックエンドサービス | embedding / document / record / search / master 等 |
| AWS サービス連携 | Bedrock / Textract / S3 / RDS / ECS / CloudFront / ALB |
8. T9入力システムで描く未来(Benefit)
目指す世界
┌──────────────────┐
│ トラブル発生 │
└────────┬─────────┘
↓
┌──────────────────┐
│ スマホ・タブレット│ ← 現場のどこからでも
│ で音声入力 │
└────────┬─────────┘
↓
┌─────┐ ┌─────┐ ┌─────┐
│AI │ │類似 │ │自動 │ ← すべて即アクセス可能
│構造化│ │事例 │ │通知 │
└─────┘ └─────┘ └─────┘
↓
┌──────────────────┐
│ 組織ナレッジの │
│ 自動蓄積・活用 │
└──────────────────┘具体的に実現したいこと
UI 改善(Pending)
- タブ切り替え時のスクロール位置リセット(U-1)
- Step 1 スクロールバー統合(U-2)
- 復旧日時の +1時間自動入力(U-3)
検索・更新画面改善(Pending)
- MasterSelect コンポーネントによる部署フィルター統一(S-1)
- 編集ダイアログのフィールド整合(S-2)
- 検索結果カラム順・表示幅の最適化(S-3/S-5)
- STA_NO コード名称変換の無効化(S-4)
- 行クリックで全カラム表示(S-6)
マルチデバイス対応
- タブレット・スマートフォン最適化
- オフライン入力対応(Service Worker)
高度な分析機能
- データ品質ダッシュボード
- 機械学習による異常検知
- 差分検出時の自動通知(Teams 連携)
システム拡張
- REST API 公開(他システム連携)
- マルチDB 対応(MySQL・BigQuery 等)
- 多言語対応(英語・中国語)
9. 開発ロードマップ
Phase 1: 基盤構築 [DONE] Phase 2: 機能拡充 [DONE] Phase 3: 改善・拡張 [NEXT]
─────────────────────── ─────────────────────── ───────────────────────
✓ 4ステップ入力ウィザード ✓ ドキュメント解析(Textract+Bedrock) □ UI 改善(U-1/U-2/U-3)
✓ AI チャット支援(Claude Sonnet 4) ✓ 5W2H 自動解析 □ 検索画面改善(S-1〜S-6)
✓ セマンティック検索(pgvector) ✓ ファイルキュー管理 □ マルチデバイス対応
✓ マスタ選択(S3 CSV) ✓ ドキュメント参照パネル □ 通知・アラート機能
✓ 部署フィルター(K/N/W) ✓ 右クリックランチャー(exe) □ ダッシュボード機能
✓ ランキングチャート ✓ トピックスタブ □ 機械学習異常検知
✓ 同期ブリッジ(Oracle/Snowflake) ✓ 保存結果モーダル □ REST API 公開
✓ Oracle/Snowflake DB 連携 ✓ ランキングエラーバウンダリ □ 多言語対応
✓ pgvector ベクトル検索 ✓ 音声入力(Web Speech API) □ クラウド DB 拡張まとめ
- 現場オペレーターが自然言語で話しかけるだけで、AI が構造化された保全記録を生成する仕組みを構築済み
- セマンティック検索とドキュメント解析により、過去ナレッジの活用と入力起点の多様化を実現
- その先に組織ナレッジの自動蓄積とリアルタイム活用で、製造現場のデータ駆動型保全を実現する
T9入力システム(Serendie UI版) 現場の知恵を、すばやく、確実に、組織の財産へ。
T9入力システム(Serendie UI版)- AI支援メンテナンス記録入力システム 開発報告
ビジョン:現場オペレーターの記録入力を AI が支援し、ナレッジを組織の財産へ
1. 現在の課題(Problem)
製造現場の保全記録入力で日常的に発生している課題を整理しました。
1-1. 手動入力の負担とミスが多い
組立フロアのオペレーターは機械を操作しながら保全記録を手作業で入力している。IT リテラシーの高くない現場作業者にとって、構造化されたフォームへの入力は認知負荷が高く、記録漏れや記述の粗さが発生しやすい。
1-2. 記録品質が個人に依存する
トラブルの症状・対応・原因を記録するフォーマットが定まっていても、文章表現の品質は担当者によって大きくばらつく。ナレッジとして活用できるレベルの記録になっておらず、トラブルの再発防止や原因分析に活かせない。
1-3. 過去事例の検索が困難
類似トラブルの対応履歴を参照しようとしても、キーワード検索では表記揺れや記述スタイルの違いによりヒットせず、ベテラン担当者の記憶に頼る属人的な状況が続いている。
現状の業務フロー:
├── トラブル発生 ← 緊急対応しながら記録
├── 紙メモ・口頭伝達 ← 後追い入力が多い
├── 手動フォーム入力(専門用語必須)← IT に不慣れな現場には難しい
├── 類似事例を記憶・口頭で確認 ← 属人的、引き継ぎが困難
└── → 記録品質の低下、ナレッジ共有の停滞2. T9入力システムでこう変わる(Solution)
| # | 現状(BEFORE) | 導入後(AFTER) |
|---|---|---|
| 1 | 手作業でフォームを埋める | AI チャットで自然言語入力 → 構造化データを自動生成 |
| 2 | 記録品質が個人依存 | AI が症状・対応・原因を抽出し、フォーマットを統一 |
| 3 | 過去事例が探せない | セマンティック検索(ベクトル類似度)で関連事例を即座に提示 |
| 4 | PDF・写真の手作業転記 | ドキュメント解析(Textract + Bedrock)で自動抽出 |
| 5 | 入力状況が分からない | 4 ステップウィザードでガイド付き入力、進捗が一目で分かる |
| 6 | トレンド把握が困難 | ランキング画面で OPE_CODE 別集計チャートをリアルタイム表示 |
T9入力システムの管理構成
T9入力システム(Serendie UI版)
├── Webアプリケーション(Next.js + FastAPI)
│ ├── 4ステップ入力ウィザード
│ │ ├── Step 1: マスタ選択(拠点→部署→ライン→設備)
│ │ ├── Step 2: メタデータ入力(日時・進捗・工変No.等)
│ │ ├── Step 3: AI チャット(できごと・対応・背景)
│ │ └── Step 4: 確認・保存(DB 書き込みはここで1回のみ)
│ ├── 検索・更新機能
│ │ ├── セマンティック検索(ベクトル類似度)
│ │ ├── キーワード検索(ILIKE フォールバック)
│ │ └── 部署フィルター(K/N/W)
│ ├── ランキング機能
│ │ └── OPE_CODE 別集計チャート(拠点・ライン絞り込み)
│ ├── トピックス機能
│ │ └── フィルター・一覧・詳細モーダル
│ └── ドキュメント起点入力
│ ├── ファイルアップロード(PDF・画像)
│ ├── 5W2H 自動解析(Textract + Bedrock)
│ └── 解析結果をウィザードへ自動引き継ぎ
└── Windows デスクトップ連携ツール(exe)
└── tools/maintenance-register/
├── launcher.exe(右クリック → ブラウザ起動)
└── setup.py(レジストリ登録)3. システム全体像
┌──────────────┐ ┌──────────────┐ ┌──────────────┐ ┌──────────────┐
│ 現場オペレーター│ ─→ │ Next.js │ ─→ │ FastAPI │ ─→ │ AWS Bedrock │
│ (ブラウザ) │ │ (CloudFront) │ │ (ECS Fargate)│ │ Claude │
└──────────────┘ └──────────────┘ └──────────────┘ └──────────────┘
↓ ↑
┌──────────────┐ ┌──────────────┐ ┌──────────────┐
│ S3 マスタCSV │ │ RDS │ │ AWS Textract │
│ (拠点/ライン/ │ │ PostgreSQL │ │ (文書OCR) │
│ 設備) │ │ + pgvector │ └──────────────┘
└──────────────┘ └──────────────┘
┌──────────────┐ ┌──────────────┐ ┌──────────────┐
│ Excel右クリック│ ─→ │ launcher.exe │ ─→ │ ブラウザ自動 │
│ (Windows) │ │ (PyInstaller)│ │ 起動・入力開始│
└──────────────┘ └──────────────┘ └──────────────┘
┌──────────────┐ ┌──────────────┐ ┌──────────────┐
│ Oracle 社内DB │ ←→ │ ローカルPC │ ←→ │ PostgreSQL │
│ Snowflake │ │ sync ブリッジ │ │ RDS │
└──────────────┘ └──────────────┘ └──────────────┘技術スタック
| レイヤー | 技術 |
|---|---|
| フロントエンド | Next.js 14 (App Router) / TypeScript / Serendie UI / Zustand / TanStack Query v5 / Chart.js v4 / Tailwind CSS |
| バックエンド | FastAPI (Python 3.11) / Pydantic v2 / psycopg2-binary |
| AI | AWS Bedrock (Claude Sonnet 4) / Titan Embed Text v2(1536次元)/ Textract |
| データベース | PostgreSQL (RDS) + pgvector / Oracle (cx_Oracle) / Snowflake |
| インフラ | ECS Fargate / ALB / CloudFront / S3 / Lambda |
| デスクトップツール | PyInstaller (exe化) / Windows レジストリ登録 |
| データ同期 | ローカルPC同期ブリッジ(run_sync.py) |
4. 主要機能の詳細
4-1. 4ステップ入力ウィザード
ガイド付きの段階的入力フローで、現場オペレーターの認知負荷を最小化。
入力フロー:
Step 1: マスタ選択
拠点 → 部署(K/N/W フィルター) → ライン → 設備
↓
Step 2: メタデータ入力
入力者苗字 · 対応進捗 · 発生日時 · 復旧日時(+1時間自動セット)
工変No. · 機種情報 · 資料リンク · T4トラブルコード
↓
Step 3: AI チャット
自然言語で「できごと・対応・背景」を入力
AI が症状・原因・対応を構造化して抽出
↓
Step 4: 確認・保存
全内容をレビュー → DB 書き込み(1回のみ)
保存結果モーダル → OK で Step 1 リセット設計原則: DB 書き込みは Step 4 の1回のみ。すべての状態は Zustand で in-memory 管理。
4-2. AI チャット支援
Claude Sonnet 4 を活用した自然言語→構造化データ変換。
【AI 支援機能】
├─ 自然言語入力 → できごと・対応・背景を自動抽出
├─ PDF/画像アップロード → Textract で OCR → Bedrock で 5W2H 解析
├─ 解析レポートを Step 3 に自動引き継ぎ(初回メッセージとして自動送信)
└─ 音声入力(Web Speech API)対応4-3. セマンティック検索
ベクトル類似度検索で過去事例を即座に発見。
検索フロー:
入力テキスト
↓
Titan Embed Text v1 でベクトル化(1536次元)
↓
pgvector コサイン類似度検索(閾値: 0.7)
↓
類似事例一覧表示(類似度スコア付き)
↓ (結果0件の場合)
ILIKE キーワード検索にフォールバック4-4. ドキュメント解析・ファイル起点入力
既存の帳票・写真から記録を自動生成する新しいワークフロー。
ファイル起点フロー:
PDF/画像をホーム画面にアップロード
↓
S3 temp/{filename} に保存
↓
Textract (OCR) + Bedrock (Claude) で 5W2H 解析
↓
解析レポートを wizardStore.sourceFile に保持
↓
Step 1 ~ 4 でファイル参照パネル(DocumentReferencePanel)を常時表示
↓
Step 3 で解析レポートを初回メッセージとして自動送信ファイルキューの状態遷移: uploading → analyzing → ready | error → processing → done(後退不可)
4-5. Windows デスクトップ連携ツール
Excel ファイルを右クリックしてそのままブラウザで入力開始。
右クリックフロー:
.xlsx/.xls ファイルを右クリック
↓
「メンテナンス記録を登録」を選択
↓
launcher.exe → POST /api/prepare(ファイル内容を送信)
↓
ブラウザが /?token={token} で自動起動
↓
バックエンドがトークンを解決 → ファイル解析レポートを返却
↓
5W2H 解析結果を引き継いでウィザード開始特徴: 管理者権限不要(HKEY_CURRENT_USER にレジストリ登録)
4-6. 同期ブリッジ(ローカルPC)
AWS と社内システム間の直接接続が禁止されているため、両方に接続できるローカルPCで橋渡し。
同期構成:
[Oracle 社内DB] ←→ [ローカルPC sync] ←→ [PostgreSQL RDS]
[Snowflake 社内] → [ローカルPC sync] → [S3]
対象テーブル: HF1RWM01(PostgreSQL ↔ Oracle 双方向)
マッチングキー: MK_DATE(YYYYMMDDHHMMSS形式)
同期カラム: 23カラム(PG専用: id, search_text, embedding は除外)5. データ構造・システム連携
フロントエンド (Next.js) バックエンド (FastAPI)
┌──────────────────────┐ ┌──────────────────────┐
│ wizardStore (Zustand) │ │ /api/chat │
│ ├─ masterSelection │ ──REST API──→ │ /api/record/save │
│ ├─ metadata │ │ /api/search/semantic │
│ ├─ aiChat │ │ /api/document/upload │
│ └─ sourceFile │ ←──JSON──── │ /api/document/analyze│
└──────────────────────┘ └──────────────────────┘
↓
┌──────────────────────┐ ┌──────────────────────┐
│ masterStore (Zustand) │ │ RDS PostgreSQL │
│ ├─ locations │ ←─S3 CSV読み─ │ ├─ HF1RWM01 │
│ ├─ lines │ │ ├─ embedding (vector) │
│ └─ equipment │ │ └─ search_text │
└──────────────────────┘ └──────────────────────┘マスタデータ連携(STA_NO コード体系)
STA_NO1(拠点)→ STA_NO2(ライン)→ STA_NO3(設備)
3段階コード階層で管理
部署フィルター: STA_NO2 先頭文字で K(CM) / N(S・MM) / W(灯火) を判別
検索結果の名称変換: 3コードを同時照合(独立変換は誤り)6. 実装済みの価値
| 価値 | 詳細 |
|---|---|
| 入力工数の削減 | AI チャットで自然言語入力 → 構造化記録を自動生成、転記作業ゼロ |
| 記録品質の標準化 | 個人の文章力に依存せず、AI が一貫したフォーマットで出力 |
| 過去ナレッジの活用 | セマンティック検索で類似事例を即座に発見、対応時間を短縮 |
| ファイル起点入力 | 既存帳票・写真から5W2H を自動解析、入力の出発点を変える |
| 直感的な UI | Serendie UI + アニメーション + スケルトン画面で現場作業者でも迷わない |
| 既存システム連携 | Oracle/Snowflake との同期ブリッジで既存業務フローを壊さない |
| デスクトップ統合 | Excel 右クリックからシームレスにブラウザ入力へ移行 |
7. 実績データ
同期実績
| 項目 | 実績 |
|---|---|
| 同期成功件数 | 7,341件(2026-02-06 完遂) |
| 競合発生件数 | 0件 |
| 稼働状況 | 本番稼働可能 |
実装済み改修(2026-03-12 時点)
| フェーズ | 完了改修数 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 2026-02-28 | 5件 | 4ステップウィザード、部署フィルター、タブメニュー、スライドアニメーション、Step 4 編集機能 |
| 2026-03-02 | 4件 | ランキングエラーバウンダリ、保存結果モーダル、トピックスタブ、検索部署フィルター |
| 2026-03-06 | 3件 | ドキュメントアップロード・5W2H解析、ファイルキュー、右クリックランチャー |
コードベース規模
| 項目 | 規模 |
|---|---|
| フロントエンドコンポーネント | wizard/ · document/ · topics/ · ranking/ · search/ 等 |
| ウィザード専用コンポーネント | 6ファイル(Step1~Step4 + WizardProgress + SaveResultModal) |
| バックエンドサービス | embedding / document / record / search / master 等 |
| AWS サービス連携 | Bedrock / Textract / S3 / RDS / ECS / CloudFront / ALB |
8. T9入力システムで描く未来(Benefit)
目指す世界
┌──────────────────┐
│ トラブル発生 │
└────────┬─────────┘
↓
┌──────────────────┐
│ スマホ・タブレット│ ← 現場のどこからでも
│ で音声入力 │
└────────┬─────────┘
↓
┌─────┐ ┌─────┐ ┌─────┐
│AI │ │類似 │ │自動 │ ← すべて即アクセス可能
│構造化│ │事例 │ │通知 │
└─────┘ └─────┘ └─────┘
↓
┌──────────────────┐
│ 組織ナレッジの │
│ 自動蓄積・活用 │
└──────────────────┘具体的に実現したいこと
UI 改善(Pending)
- タブ切り替え時のスクロール位置リセット(U-1)
- Step 1 スクロールバー統合(U-2)
- 復旧日時の +1時間自動入力(U-3)
検索・更新画面改善(Pending)
- MasterSelect コンポーネントによる部署フィルター統一(S-1)
- 編集ダイアログのフィールド整合(S-2)
- 検索結果カラム順・表示幅の最適化(S-3/S-5)
- STA_NO コード名称変換の無効化(S-4)
- 行クリックで全カラム表示(S-6)
マルチデバイス対応
- タブレット・スマートフォン最適化
- オフライン入力対応(Service Worker)
高度な分析機能
- データ品質ダッシュボード
- 機械学習による異常検知
- 差分検出時の自動通知(Teams 連携)
システム拡張
- REST API 公開(他システム連携)
- マルチDB 対応(MySQL・BigQuery 等)
- 多言語対応(英語・中国語)
9. 開発ロードマップ
Phase 1: 基盤構築 [DONE] Phase 2: 機能拡充 [DONE] Phase 3: 改善・拡張 [NEXT]
─────────────────────── ─────────────────────── ───────────────────────
✓ 4ステップ入力ウィザード ✓ ドキュメント解析(Textract+Bedrock) □ UI 改善(U-1/U-2/U-3)
✓ AI チャット支援(Claude Sonnet 4) ✓ 5W2H 自動解析 □ 検索画面改善(S-1〜S-6)
✓ セマンティック検索(pgvector) ✓ ファイルキュー管理 □ マルチデバイス対応
✓ マスタ選択(S3 CSV) ✓ ドキュメント参照パネル □ 通知・アラート機能
✓ 部署フィルター(K/N/W) ✓ 右クリックランチャー(exe) □ ダッシュボード機能
✓ ランキングチャート ✓ トピックスタブ □ 機械学習異常検知
✓ 同期ブリッジ(Oracle/Snowflake) ✓ 保存結果モーダル □ REST API 公開
✓ Oracle/Snowflake DB 連携 ✓ ランキングエラーバウンダリ □ 多言語対応
✓ pgvector ベクトル検索 ✓ 音声入力(Web Speech API) □ クラウド DB 拡張まとめ
- 現場オペレーターが自然言語で話しかけるだけで、AI が構造化された保全記録を生成する仕組みを構築済み
- セマンティック検索とドキュメント解析により、過去ナレッジの活用と入力起点の多様化を実現
- その先に組織ナレッジの自動蓄積とリアルタイム活用で、製造現場のデータ駆動型保全を実現する
T9入力システム(Serendie UI版) 現場の知恵を、すばやく、確実に、組織の財産へ。